「あっ!おーいっ!!健兄っ!!!」

車から降り国道に出て未茉はこっちに向かって走ってくる健の姿が見え、両手で手を振りながら迎えに行くと

「お前、よくこんなとこまで走っ……」
そう言いかけた健が未茉の背後を見て驚いたのと同時にーー

「ーー!!?」
呼びながら走っていた未茉を引き留めるように右腕を後ろからグイッーー!!!と引っ張られ振り向くと、

「え……」

「見つけた……はぁはぁはぁ……」
とんでもない息切れをし滴り落ちる汗を流し苦しそうな表情を浮かべながら未茉の腕を掴んでいたのは、


「え、翔真っ!!?」

ーー翔真だった。

彼の手は健の元へ行こうとしていた未茉を阻止するかのように彼女の腕を強く引っぱり、


「俺の勝ちです。健さん。」


そう言い放つも、
「……いや、同時だろ。」
フンッと鼻で笑いながら言いなおる。
「俺が先にっ」とムキになって言いかける翔真に、
「はっ?!なに言ってんだ!?」
全く意味の分からない未茉に、

「まぁっ・・!!!いい男が二人もっ!!乗ってかないっ!!?」

未茉を乗せてくれたおばさんがやってくると、イケメン二人の存在に気づき腰を抜かす。

(・・お姉様・・・?)
健は一瞬首を傾げたものの、にっこりと微笑みかけ、
「ありがとうございます。お言葉に甘えてもよろしいですか?」
「きゃぁあっ!!乗って!!乗ってちょうだいなぁっ!!ほらっそっちのイケメン君もっ!!」

「なんだなんだ。あたしとはえれぇ態度が違うじゃねーか。おば・・ふがっ!!」
言いかける口をすかさず翔真は手で塞いだ。

「ねぇ、もしかして翔真も探してくれてたの?」
車に乗り込みながら今になって気づいて尋ねると、


「うん。歴史を変える為にね。」