♪♪♪♪……
一方、国道沿いを走る健が手にしていたスマホが鳴っていた。
「お、気づいたか。」
スマホの画面には番号登録のない番号が表示されていて電話に出る。

「未茉か?」

『えっ!!なんでわかんの?!その声は健兄!?』
おばさんから携帯を借りた未茉は自分の携帯に電話していた。

「自分のスマホに電話するっー知恵はあったようだな。」
あらゆる可能性を考え健は部屋にあった未茉のスマホを持って出てきていた。

『そー!おば…じゃないお姉様が自分の携帯に電話して見ればって言うからさ!静香に合宿所の名前聞こうと思って。そしたら調べて送ってくれるっていうからさ!』

「おー、お前ナイスなお姉様に拾われたな。」
時間も時間だったので安否確認がすんでホッとするが、
「で、今ちなみにお前どこいんの?」

『ここ?おば…じゃないやお姉様ここどこですかー?丸々三丁目のコンビニだって!』
「丸々三丁目か…あ、なんだ近いじゃん。さすが俺。三分で行くからそのまま待っとけ!」
スマホのナビで健は位置を調べて意外と近くにいたことに気づき走り出すと、

『やっぱ健兄が探してくれてると思った。』

車の窓から身を乗り出し未茉は、見晴らしのいい夕方の空を見上げながら笑顔になった。

「あー。俺の役目だからな。」

健もまた同じく夕方の空を見上げながら幼い頃を思い出しながら言った。
夕方になるとはぐれたことに気づき急に泣きべそをかく未茉を絶対に一番に見つけていた健だった。