「白石はどこまで外周に行ったのよっっ！！？」

一方、体育館では神崎監督の怒鳴り声が響いていた。




「さすがに白石も前園に言いすぎたなって反省してどっかでへこんでるんじゃ……」
と石井が言うも、
「アホちゃいますか。未茉はそんなタマじゃないですよ。」
静香は呆れながら答え、

「アイツのあの無鉄砲ぶりだ。どっかで道に迷ってるか、道草くってるか。」
田島がそう言うと、

「「「後者だな。」」」

と三人は声を揃えて頷いた。

「いや、あいつのことだから道に迷ってどっかで寝てるにちげぇーねぇな。いい天気だし。」
そこへ健がやってきて時計を見て、やれやれとため息をつき、
「近く探してきますね。スマホ持ってくので帰ってきたら連絡してください。」
「星河君、宜しく頼むわ。」
神崎監督に言われ、かかっていた未茉のジャージを手に取り、健は体育館を出ていくと、

「あれ、健さん。」

ちょうど体育館に戻ってきた翔真が健に気いた。
「おー。未茉まだ帰ってきてねーんだよ。探しに行ってくる。」
「えっ。外周行くっていったきりですか？」
翔真は思いもよらない展開に驚くも、

「俺も行きます。」

「マイクにキレられるぞ。」
「られても、こっちの方が大事です。」
「…じゃ、」
健は足を止めニヤッと面白そうに微笑んだ後、
「？」
真顔になり、提案した。