合宿所を出て一時間くらい夢中になって走っていると、ぐぅーっと未茉の腹時計が鳴り、

「腹減ったぁ~~~そろそろ帰るかっ!!」

くるっと振り返り、来た道を引き返し走り始め、走ること30分・・・。

「あれ・・・・??こんな道通ったっけ・・・??」

ゴクッと生唾を飲み込みながら辺りを見回す。
自分では宿舎周辺を走っていたつもりだったが、そこには似たようなだだっ広い田園風景が辺り一面に広がっていた。

「間違えたかな?こっちかも。」

あははっと笑いながら南の方角に走っていき、
「う~~~~ん。こっちだったかなぁ!」
くるっとなんとなく勘で行き先を変えていく。

「・・・・。」

はぁはぁはぁっと息を切らしてどんどん風を切って走っていくが、行けども行けども合宿所らしき建物が出てこない・・・。
勢いに任せて出てきてしまい、イライラしてただがむしゃらに走ってきたからか、記憶が曖昧だったことに気づいた。

「う~~~~ん。よく思い出せ。」
腕を組んで立ち止まり悶々と考えてるが、何度考えても道筋は出てこない。

「あっ!!公園!!!」
とりあえず喉がカラカラな未茉は公園の蛇口の水をひねりゴクゴクと流し込み、
「あっちぃーーっ!!!」
屈んで頭から水を被り、髪を振り水飛沫をあげながら首を振ると、

「あ~~~すっきりっ爽快っ!!!」

心地よい太陽の日差しを浴びながら木漏れ日の下で両手をあげ体を伸ばしてベンチに横になってると、
「あ・・なんだこりゃ・・眠っ・・・・・ぐう・・」

また秒殺で未茉は寝てしまったのだ。
「Zzzz・・・・・。」