「ユリ、足が重くねーか?まだ2Qだぜ。」
「呼び捨てすんなし…っーか敬語使えよ…」
タイムアウトになると隣に座る未茉に図星をつかれギクッとしたユリは睨み返した。
「サボってたツケが回ってきたな。パスがんがん回すからな!!ちゃんと取れよな!!」
「年上に命令するな!!うるさいわね!!」
「…前園、無理すんな。これだけの相手だ。スタミナの消耗は激しい。ただでさえ合田の相手は…」
試合感は鈍ってはいないものの、あれだけの体格差を押さえるユリには相当な負担がかかる。と神崎が少し休ませようと交代を視野にいれると、
「甘やかすなよっ!!」
会話を遮断するように未茉は睨んだ。
「ユリ不在でチームにどんだけ迷惑かけたと思ってんだ!?戻ってきたなら死んでもジャイコを自由にさせるな!!!」
急に怒鳴り出すとベンチの面々は驚いていた。
「いいか?!お前が飛ばなくなった時が負けた時だからな!!!覚えてろ!!」
「!」
未茉の言葉にユリは驚いた。
ぶちキレながらコートに戻ってく彼女を見て頷きながら田島は、
「と、いうわけで前園は、まだ下げさせませんよ監督。」
そしてユリの背中を押した。
(田島さんも白石も…)
バスケはもういい。と背を向けて投げたした自分をこんなにも必要としてくれていたことに驚いた。