東京オフェンスになり、田島がボールを運ぶと、目の前ではエリーがぴったりとくっついてくる。

(白石にはエマか…)と思いきや、189cmの超人水越まで未茉をマークしてる。

「未茉にエマと水越って…!!やりすぎだろ」
あれじゃ手のだしようがないと東京男子代表応援席では匠が動揺する。
「エマはディフェンスも超一流級だ…よっぽど白石を警戒してるんだな。」
「それだけのプレイヤーだと認められてるのは光栄だが、白石が機能しないと東京は…」
東京男子代表シートでは、ざわめき始めるも、うっすら期待もあった。

(天才なら越えられるか…?)



「二人で白石をマークか…」
白石には絶対に仕事をさせない気の逆側のベンチにいる原監督を神崎監督は睨んだ。

(…白石は天才だ。小中から彼女の凄さはこの目で見ている。多分神崎監督なんかよりもこの俺の方が彼女の良さを引き出せるのに…)
何度もスカウト失敗している原監督は未だに根に持ちながら彼女のプレーを見つめ、

(彼女の凄い所は能力の高さだけじゃない。彼女がいるとチームの流れがよくなる。それが一番の驚異だ。)
早いうちに手を打たないといけない。と原は先手を打った。