「ガチガチだなぁ……」

東京女子のコートの3人を見ながら翔真が苦笑いをする。
「あったりめぇだろ!天下の名古屋と試合して辱しめにあうんだ。緊張しないバカいねーだろ。」
隣で不破はフンッ!と嘲笑うと、

「でもあの二人は全く緊張してないみたいね。」
ちょっと安心したようにららは、未茉と静香の方を指さした。


「なんや、未茉元気ない思うて怖じけついたかて心配したわ。」
中学時代から見てきた試合直前の未茉の興奮絶頂の横顔に静香は安心した。

「おう!お前と試合するのも久しぶりだしな!!」
「せやせや!!今日のうちは絶好調やしな!!愛の女神様やからな!!匠さぁーーん!!よぉみとってやぁぁ!!!」
と、東京代表男子ベンチに向けて大きく両手をぶんぶんっと振りだす。

「やだまたあの子って」
「あそこの男子に手を振ってない?」
クスクス…と観客に笑われ、東京代表男子達の方に視線が集まる。


「おい・・・振り返してやるのが、東京の為だ。」

周りと目を合わせるのも恥ずかしいマイクは匠を突っつきながらそう言った・・。



『只今より、東京都代表対愛知県代表の女子の試合を行います。』

そして試合開始のホイッスルが鳴り響いた。