TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「いいか。バスケはディフェンスからだ。お前らが今日やるべきことは点を入れることじゃない。
この試合、たとえ1対0でもいい。そのくらいの気持ちで相手には絶対点を許すな!!24秒気合い入れてディフェンスしろ!!!」

「「はい!!」」
神崎はこの国体の合宿中、練習のほとんどをディフェンスに費やしてきた。

円陣を組んで勝利を誓い合う東京五人女子を見つめ、

(正直、高さでもうまさでも簡単に勝てる相手じゃない。
…だから絶対ディフェンスで負けてはいけない。)


一方、全国最多優勝記録を誇る名古屋第一を10年率いる名将の原監督はベンチから全く立つ気配もなく、特に選手に何かをアドバイスするわけでもなく、寄りかかって腕を組んで飄々とした様子だった。

「…」相変わらず孤立してるエマは一人座って時間が来るのを待ってるだけ。
他の四人もコートで少し話してるくらいで緊張を微塵にも感じさせない。


「白石はエリーをマーク。私はエマにつく。」
田島にそう指示され、「オッケー」と笑顔で頷いた。
テーピングした左肩を動かしスナップをかけ、刻々と試合開始時間が迫ってく、この時間が未茉はたまらなく好きだ。

「♪」キュッキュッとバッシュを鳴らしながら鼻歌歌いながら飛び跳ねる。

ワクワクするのだ。相手が強いと。
早く!早く!と体中を駆け巡る血液が興奮と共にどくどくと弾んでる感じだ。


(…この状況で信じらんない。バスケしてる時はいつも楽しそうだけど、それ以上に今日は今まで見た中でも一番嬉しそうな表情してる。この名古屋第一相手に…)
そんな怪物未茉を横目で見ながら、石井は自分の心臓が飛び出しそうになるくらい気持ち悪くなり、冷や汗が頬を伝ってるくらいだ。

気づくとジャンプボールを叩くその手もすでに汗で湿っていた。