「愛する気持ちは力になって、愛される思いは力になって、偉大なる勝利へと導くんやぁぁあ!!!」

「・・・ねぇちょっと、白石この人大丈夫?ついにイカれたじゃない?」
会場中にこだまする声で豪語する静香を見て、ひそっと未茉に耳打ちをすると、

「可愛そうなやつやな。万年片想いのあんたとはちゃうで?うちらにはな、応援してくれる彼氏がおるんねん。あんたみたいな寂しい女ちゃうんや!う・ち・らは!!!」
どや顔で未茉の肩にがっちりと手を回し芽依を見下ろす。
「あ?うちら・・・??」
ひっかかりが否めない。


「・・・嘘言うな嘘を!!」

明らかに信じてない、信じる要素を静香からは一つも持てない芽依は端から信じてない。

「まぁ見てみぃ!!!うちの愛の力でこの東京砂漠を潤い救って見せるで!!うちのこの愛のパワーを前にひざまづくとええわ!!皆の衆!!ふっあはははははっ!!」

かっこよく仁王立ちしながらポーズをとる静香に、やってきた神崎監督からはベシ!!と竹刀が飛ばされる。
「別にお前に救われるほどやわなチームじゃないっ!!!んとっに!!大きな声ではっずかしい奴!!早くアップしろ!!!」

あはははっと観客達からは指をさされ笑われていた。
「おもしれぇーのがいるな!!東京女子は!!」

「あんなのと一緒にされるのがマジで恥すぎる・・・」
他人のふりをして練習する東京女子達はそう呟いた・・・。