「もしかしてあなた、湊君と付き合ってるんじゃないでしょうね?」
手の骨をパキパキと鳴らして疑惑の眼差しを向けると、
「あ?あたしじゃねーよ。」
「どういうこと?!」
「湊の彼女は、多分アイツだから。」
そう言って、未茉はユリの方を指した。
「ぬあっ・・ぬぁんですって!!?」
「「え…??」」
まさかの返しに驚いたのはジャイコだけではなく、田島や石井達もであった。
「え、何、そうなの?」
少し離れた所で石井はユリに尋ねると、
「…昨日、白石に湊はくれてやるって言われた。」
「おい!今関係ないだろ!余計なこと言ってんな!!試合に集中するぞ!!」
田島が手を叩きながら気持ちを切り替えるように促す。
「…」
それを前原だけは何か言いたげに未茉の方を見ていた。
「「うわぁぁあ…っ!!」」
そんな中、一際大きい歓声が響いたのは、イヤホンたで音楽を聞きガムを噛みながら独特の雰囲気で現れたエマがコートに入った時だった。
「「エマだ…!!」」
「「エマぁあーー!!」」
待ってました!!とコート入りをしたエマに会場中から拍手と歓声が送られる。
男子は嵐、女子はエマ。
目玉は決まってるので拍手がなりやまない。
「しかし、愛知揃ったらすっげー圧巻のデかさ…」
男子と見分けがつかないくらいの大きさと、王者としての貫禄と迫力がある愛知女子の登場に会場中の視線が一点に釘付けになる。
「…」
その歓声も視線も気づいてないのか、聞こえないのか、もう慣れてしまっているのか、エマは相変わらず無表情のままだ。
「エマ!!久しぶり!!!」
そんな別世界の空気間もお構い無しに、未茉は手を振りエマのもとへ駆けてく。
「「げ、白石!!」」
その無鉄砲な行動に東京女子は驚いてる。



