「おかしいと思ったんだ…急に前園さんが復活したから。それって何か関係あるの?」
「ねーよ!なんも!」
「だって僕、昨日静香から聞いたよ?文化祭で湊にコクられたって…、断ったの?」
「何の話だよ。」
「え?!なんで白石さん湊のこと好きだって気づいて決めたんでしょ?!何かあったの?」
「なんもねーよ!ほんと!」
ははっと笑う未茉の笑顔が空笑いみたいで早乙女は少し怒ったようにじっと見つめ、
「…らしくないよ。そんなの。自分の気持ちに嘘つく白石さんなんてそんなの白石さんじゃない!」
「…!」
「無理してなんて笑ってほしくない!」
「…」
「僕だって凄い辛くて苦しいけど、好きな人が心から幸せであるなら納得できる。でもこれは納得いかないよ?」
いつも思うけど、その真っ直ぐな言葉は胸に突き刺さる。
握られた腕の強さも背を向けてる気持ちに引っ張られてるようだ。
さっきも翔真に素直になっちゃいけないと思うと苦しかった。
「…恋って周りまで苦しくさせんだな。ごめんな。」
「白石さん…」



