「よし。男子も勝ったし、女子も絶対勝つ!」

「「はい!!」」
神崎が気合いいれて、応援シートから立ち上がると女子達も大きな声で返事をし移動すると、

目の前のユリが持とうとした荷物を持った時、今日二人は初めて目が合った気がした。

「…白石、」と何かを話そうとした時、

「白石さんこれ荷物!」
未茉のリュックを抱えながら早乙女がやってきた。
「あ、サンキュー!!」
「次、頑張ってね!全力で応援するから!」
「ありがとう!!」
優しい目をしたその温かい言葉に嬉しく返事をする。

「…」二人が話し出すと、ユリは何も言わずにその場から離れた。


「あと、これ湊に渡してくれる?」

「ん?」
差し出されたのは、東京男子の翔真の背番号タオルだった。
「ちょっと預かってたんだけど、インタビュー中だったから。」

「ああ、おいっ!ユリー!!」
「え…?」
「あたしじゃなくてユリに渡してよ。よろしく!!」
頑張ってくるわっ!と笑顔で手を振りながら未茉は女子達の列へと走っていこうとするが、

「待って!」
しっかり握られてしまった腕を引っ張られ、急ぐ足を止められてしまった。