「翔真はまだトイレか!!?」


いい加減長すぎだろ!?と、マイクの貧乏ゆすりは激しさを増し、イライラして大声をあげる。
「呼んできます!!」
さっきから声かけてるんだけどなぁ…と思いながら、早乙女が再びトイレに行くと、

「湊っ!!試合始まっちゃうよ!!早く出てきて!!」
東京代表の翔真の背番号のタオルがかかってるずっと閉じっぱなしのトイレの扉をダンダンっ!と叩くと、

「ぁあ…もうすぐだから」
唸ったような声が扉の向こうから返ってくるので、
(苦しそうだな…)とは思いつつも、

「早くもう出て!!もうあと一分もないよ!!」
それでも扉を叩き、追い討ちをかけると

「っとにうっせぇーーな!!」

バンッ!!!と扉は開かれ、出てきた不破だった。


「えっ!!?」
早乙女はその姿に驚いてると、かかっていた翔真の背番号のタオルを投げられ、

「エースにこの借りは、倍にして返して貰うからなって伝えとけよ!!!」

ふんっ!!!と長い足で扉を蹴り開け、すっきりした表情でトイレから出ていった。