「健さんがいないから初戦敗退したなんて本人に言いたくないでしょう。」
「…!おお…その通りだ!!」
なんだ分かってるじゃないかとマイクは、見直したように翔真の肩を叩いた。
「湊…」
匠もその発言には驚いた。
未茉に責任を感じさせないようにするためか…ということは思ったが、何はともあれ健は自分達の勝利をきっと誰よりも願ってるだろうから。
大成王子メンバーも監督もルーキー翔真のその力強さが後半への気持ちの切り替えになった。
「お腹痛いんでトイレ行ってきます。」
翔真がそう言い列から離れると、
「大丈夫か?」
「はい。」
「なんだ。初の全国の大舞台で緊張してたかな。」
後半はきっと動きよくなるだろうと工藤監督も頷いた。
「あんなふわふわしてても、プレッシャー感じてるのかもな。」
トイレへ向かう翔真を成瀬も気の毒そうに見つめるも、
「緊張・・・?プレッシャー・・・?俺の知る限りアイツにはそんなの無縁だぞ・・。」
ありえないと耳を疑いながらマイクは首を傾げた。