第2Q終了 

東京16対京都33
京都の高さをいかしたインサイドプレーが光り、前半を折り返す形になった。

ビーッ!!というハーフタイムを告げるブザー音が鳴り響き選手達はロッカールームに戻ってく。

一年でまだ出番のない早乙女はもどかしい気持ちでいっぱいになるも、先輩達にタオルと飲み物を渡しながら歩く。

京都陣の190cmと2mの高さの壁にぶつかっていた。
(健がいてくれたら、もっと落ち着いて攻撃ができていた。)
王子学院のスタメンの成瀬と匠とブラウンは、声には出さなかったものの、絶対的エースで攻守共に絶大なるチームの柱の健を思い、東京メンバーは少し重い足取りで歩いてく。

翔真もその後ろをゆっくりと歩いてく。

余裕なのか、4Qにならないとそのスイッチが入らないのか、何を考えてるかは全くつかめないが、マイクはその姿を見つめていた。

(いや、余裕ってわけないか。相手は全国三位だ。しかし、翔真の動きは悪くないんだが…いつもみたいにキレがない。)
とはいえ、自分が押さえられてる今、ほとんどの得点は翔真が絡んでいた。

「おい、後半は対策もしてくるだろうから…」と言いかけると、
「分かってますよ。負けません。」
「!」
珍しくきっぱりと言いきる姿にマイクは驚いた。