「なんでうちが行かなあかんのや!!!」
プンプンっと鼻息を荒くして、アリーナの座席階段を登って出口に静香が向かってると、

「ん!!?」
ピカッと静香の中の女の何かが察知して、客席の方に目をやると、

「不破さんやないですか!!?不破さんも試合見にきおったんですか!??」
チームジャージを着て頭一個出て目立つ不破の元へ駆け寄ると、

「うわブッ…」もがっ!!と隣にいたららに再び口を塞がれた。

「む、なんやこの女…」
隣にはさっきもいたイケてない女がまるで彼女気取りで座っていた(静香の視点でのみ)ので睨むと、

「あ、改めまして、あたし名古屋第一のマネージャーのららです。」
「別にあんたの名前なんて聞いとらんで!!」
「あ…そうですか・・・。」
しかも自分の方が上なんじゃないかと思いながらも、あまりにも攻撃的だったので敬語で答えてしまった・・・。

「あっあの、静香さんですよね?未茉の友達の!あたし達、湊とは愛知の時からの同じ地元で」

「そうなん?!なんやじゃ湊がうちに紹介してくれたんかな?!」
「・・・・あ、いやどうだろ」
なんか恐ろしく間違った勘違いをしてるような気がするが、突っ込めず・・・