「相手になってやるぜ。未茉」
「嵐…!」
「お前がエマを越えられるか俺が相手になってやるからかかってこい。」

俺の挑発におもしれぇ。って顔して微笑む未茉の勝ち気な瞳は、今も変わってなくてそれが嬉しかった。

俺はその顔が大好きだった。


…キュッ!!
バッシュの音を合図にドリブルで走り出すと、懐かしい感覚に陥る。


昔は時間を忘れて夜になると親がいつも探しにきて、公園の地面一面に正の字書いて夢中になって1on1やってる姿に驚いてた。

互いに巧みなフェイクを入れてゴールに向かってジャンプする。
打たせまいとするも、鮮やかなステップで交わされてしまう。

「!?」
「どうしたバスケ界のスター。日本一なんだろ?」
ニッと笑うその勝ち気な笑みに追い付きたくて俺は、未茉よりもうまくなりてぇと毎日必死だった。


この俺に勝てるのはお前しかいない。

…今も、昔も。

俺はそう信じてる。