「おっーはよぉぉーございまぁぁあす!!!」

早朝6時の国体会場の千葉行きのバスが王子学院高校を出発後、大成高校、明徳学園高校に到着して未茉は元気よく乗り込んだ。

「おう。白石。」
一番先頭に座っていたマイクと東京男子代表の監督の工藤の挨拶に始まり、

「白石さんおはよ。」
早乙女が爽やかに微笑むと、
「おはよ。」大成メンバーが次々に挨拶してくる。

「あれだろ。昨日白石を庇って健さんが今日来れなくなったんだろ?」
「聞いた聞いた。警察沙汰になったって…」
ヒソッと大成と王子の男バスメンバーが未茉の姿を見るなり小声で話しだす。

「そこ、無駄話すんな。」

未茉には聞こえなかったようだが、神崎が注意をすると、

「なんや神崎さん庇うことはないで!事実なんやからな!!」
座っていた静香が立ち上がりあえて大きな声で言うとみんな驚く。


「健さんが出れへんいう責任をしっかりエースとして勝利で飾るんやからな?な?未茉!」


「おう!!もちろんだぜっ!!!優勝すっから!!!」

あえて発破をかけてくれた静香に体当たりをしてガッツポーズで答えた。

「うっしゃぁあ!!頑張るぜ!!東京ぉお!!!」
未茉が大声で気合いをいれて誓うと、
「「よしっ!!」」
早乙女を始め、匠が拍手をしてくれると、つられて大成王子メンバーも拍手をしてくれ、不穏な空気を立ちきった。

その様子を見て神崎はホッと胸を撫で下ろした。