「いぇーいっ!!あたしの勝ちだっ!!!」
数十分後、こてんぱにしごくはずが・・逆に徹底的にやられてしまった監督は、武器である竹刀を未茉に取り上げられてしまい、
「静香ぁ!覚悟だぁあ!おりゃあ」
「なにすんねん!!うちのぼんきゅんぼんを!!!」
振り回して遊んでいる・・・
「く・・・そぉ~~~あと五才若ければ・・・」
「あ?それでも勝てねーから。」
「・・・白石。誰に向かって口聞いてるのかなぁ?」
込み上げる怒りを無理やりおぞましい微笑みに変える神崎監督は、未茉から竹刀を取り返し、
「やべぇっ!逃げろっ!!」
「この野郎っ!!!白石っ!!そのまま体育館50周してこいっ!!」
「ぅゲッ!!!50!?」
「はぁっ。」
やれやれ、と汗を拭いながらベンチに神崎監督が戻ってくると、コートの外で別メニューをこなす健が笑ってる。
「脇指摘してやろうかと思ったけどアイツまんまと抜きやがった。この私を!」
「ははっ!颯希さんとはまた違ったプレーヤーでしょ?教えがいがありますよ。」
「あるわ。あの子まだまだ伸びるわよ。しかも飲み込みも恐ろしく早いし何よりも勘というか、ゴールへの嗅覚は、あれはお父様譲りね。」
「いや、勘の良さは案外母親譲りかも」
クックッと面白そうに健が笑い、
「兄弟の中でも未茉の才能は群を抜いてますよ。」
「へえ…」



