「かっ・・・・かわいいだとぉお!?」
こんな年下のガキに動揺してしまったと恥ずかしい未茉の両腕を掴みさらに禅は迫った。
「もう一回してもいいですか?」
「ダメに決まってんだろ近づくな!!」
「じゃあ、誰とならするんですか?」
「誰ともしねーよ!!!」
「そうなんですか?」
まさかの返答に驚くも、
「かわいそうに。湊さんには振られたんですか?」
「うっぜぇっ!!おまっ、両手離せよ!!」
誰もいないことをいいことに床に押し倒されると、暴れた弾みでポケットの中から、何かが転がった。
「俺が相手してあげますよ。」
情けをかけたようにふっと獣のような目で微笑むと、
「あ…」
視線の先には、翔真から昼間貰った真っ赤なハートのバルーンだった。
♪♪…♪♪♪…
その時、未茉のスマホが鳴ってるのに気付くとその画面は翔真からの着信だった。
「出させませんよ。」
「!!」
「このまま無理やり診察室に閉じ込めて、麻酔打って、裸にして先輩の体を…」
ドカッ!!!バキッ!!ガタガタ!!!
「あれ?どうしたの禅。顔アザだらけじゃない。」
未茉の元へ戻ってきた莉穂は、たんこぶだらけの姿に弟を見た。
「・・・・・。」