“バスケの宣伝も俺に任せろ。”
“湊と白石の間に入れる奴なんかいない。”
“ほっとけ。俺が後はやる”
“白石らしいダンクを決めてこい。”
文化祭の準備も、マネージャー業も全て完璧にこなしてくれて、
“ヒロインにはぴったりのドレスだ。”
クマだらけのげっそりとした青い顔でドレスまでてくれて、

「待って!!!キタロー!!!」

去っていくキタローの後を追いかけて大声で呼び止めると、
「白石…」

「キタローマジでありがとう!!明日は絶対に勝つから!!見ててな!!!」

足を止めたキタローは、叫ぶ未茉にゆっくりと深く頷いた。


「そしたら、お前が思ってくれるあたしらしく、ちゃんと向き合う!!!」

「ああ…。これから一晩中神に祈祷を捧げる。」
滅多に笑わないキタローが少し微笑んだように見えて、
「ひぃぃっ!!怖いぃぃ!」
新米斎藤が結城の後ろに隠れると、ゴンッ!と頭を殴られる・・



「よし、さぁっ!とにかくみんな送ってくから車乗ってくれ。」
もう八時前になっている時計を見て野村監督はそう召集かけると、

「白石と和希君は、私の車に…」
車の鍵を手にした神崎がそう誘導する手を振り払い、
「乗らねーよ。」
「…!」


「お前、アイツとどんな関係だよ」

それは今までみたことのない未茉の殺気だった表情に神崎は一瞬怯んでしまった。

「姉ちゃんそいつ、婚約者だってよ。アイツの。」
怒りに満ちた表情で和希が睨んだ。



「じゃ今日からおめぇはあたしの敵だな。」


いつもとはまるで別人の未茉に宣戦布告された神崎は言葉を失った。