「よーしっ!!始めるぞっ!!!」
明日の試合を控え気合いの入ったサブキャプテンのマイクが手を叩きながら工藤と神崎の両監督が体育館に入ってくると、
「「はいっ!!!」」
一同は気持ちの入った返事を返した。

「白石、調子はどう?」

一番に神崎監督が名指しで調子を尋ねにやってきたのは未茉だった。
「はいっ!いつでもどこでもバッチリだぜっ!!」
にかッと歯を見せて笑いブイサインで答えると
「!」
少し戸惑ったように驚く。
「ん?監督?」
「…ああ、よかった。」

(笑うと似てるかもな…びっくり。あんな笑い方はしないけど。)
ちょっと調子の狂った監督だったが、はたっとすぐにスパルタ鬼監督の表情に戻り、

「ちょっと待て・・・。監督様に向かってなんっつー口の聞き方だ・・・。よし白石、お前にはディフェンス猛特訓だからな!覚悟しろ!」
「おうっ!!」
「おうじゃねぇ!!はいだぁあ!!」
ピシャンっ!!と竹刀でお尻を叩かれ、
「いってぇぇえっ!!この暴力教師ぃぃ!!」
「黙れぇ!!二度とふざけた口が聞けないようにしてやるからなぁぁ」
「うぎゃぁあああ」
竹刀で叩かれながら連行され、監督と1対1でしごかれてる姿を大成の絶対的センターの石井が見ながら、

「神崎監督、ずいぶん白石に力入れてますね。」
「確かにアイツがうまく機能してくれないと強敵千葉には勝てないからね。」
それを聞いた田島が頷くと、

「神崎監督はああいうのびしろのある子大好きなんです。叩けば叩くほど結果だすタイプでしょ?白石って。」
聞いていたユリがどことなく冷たく言い放つそんな姿に田島は、何か引っ掛かりを感じていた。