「てめぇに頼むことなんか何もねぇよ!!神崎!!こんな奴呼びやが…」
掴みかかろうとする未茉を莉穂は必死に制止すると、


「颯希さん。お願いします。どうか…」


床に手とおでこをつけて、土下座したのは神崎だった。


「か…神崎監督…!!」

その姿にみんなは驚いた。
中でも一番驚いていたのは、颯希だったかもしれない。

「あっあの…私の方からもどうかお願い致します。白石をどうか」
野村監督も深々とお辞儀をすると、
「わわわっ…ぼぼっ僕もっ!!」
続いて新米斎藤も深々とお辞儀をする。


「綾乃、どうせこんな奴助けたって初戦敗退だぜ。」

神崎の手を引っ張りあげ、土下座をやめさすと、警官に話しかけた。
「もうすぐ弁護士もきますので、一件の話はすぐに片付けて下さい。これ父の中国での連絡先です。」

「あ…はっはい」
まるで何もなかったかのように、てきぱきと警官に話つけ、別室へと未茉も呼ばれて消えてった。