「白石が警察ですか!!?」

監督である教頭の野村が、斎藤と共に先程警察に向かったという事実を橘と翔真、結城に告げると声を荒らげる。

「ああ、とりあえず私も警察に向かう。」
ただ事じゃないようなその慌てっぷりと、

「「「はぁ!?警察に!!?」」」
思いもしない大事な展開に驚きの声をあげるも、

「やべぇよ…それが本当なら明日の国体出場できなくなるぜ…」


橘のその一言に皆、言葉を失った。




東京◯◯区警察所


「何度も言ってるだろ!?キタローはあたしを助けてくれたんだよ!!!」

バン!!!
警察の廊下の壁を叩きながら未茉は大声で叫んだ。

「お、落ち着いて…ただちょっと取り調べてて…」

「はぁあ?!あたしを助けてくれたのになんで」
身を乗り出して警察官のむなぐらを掴みかかりそうな勢いの未茉を健は後ろから掴み制止した。

「とりあえず、学校の器物も破損したみたいだし、状況をよく聞いてそれから詳しいことは…」
「詳しいことはあたしが話しただろ?!なんで助けてくれたのにキタローが取り調べなんて」

「未茉、いいから一旦落ち着けって。あの、北君と話せるのはどのくらいたってからですか?」

「さあ、まだ取り調べ中で」
「それか、担当している警察の方にお話できませんか?」

助けてくれたキタローを悪人のように身柄を拘束し取り調べをする警察に怒りに満ちてる未茉に対し、冷静に話を切り出す健だったが、


「ああ、君が白石さんかな。」

奥の通路から別の権力のありそうな風貌の警察官が現れ、こっちにやってくる。

「ちょっと君にも話を聞きたい。」
どうやらキタローを取り調べていた警官のようだ。
「もちろんだよ!!だから早くキタローを解放してやってくれよ!!あたしを助けてくれただけなんだから!!!」

「それはもう少し時間がかかりそうだ。」

「は!?」
まさかの返答に未茉は驚いた。