「あっはははっはっはっ!!!」

次の日の早朝体育館の隅でボールを回しながら翔真は未茉の話に大爆笑した。

「笑い事じゃねーよ。静香の話に夜中まで付き合わされてさぁー。」

「静香ちゃん本当に面白いね。それ。」
「おかげで眠みぃ・・」
「順序かぁー。全然一向に進めてないなぁ。」
むしろこのままだと辛抱ならずに飛ばしていきそうだなぁ。と翔真はぶつぶつと一人で呟いてる。

「あ?」
「こっちの話。」
「とにかくなんとしてでもとっとと二人に引っ付いてもらわねぇーと困るな。じゃないと寝不足だ。」

「ちょ・・・ちょっと待って。」
「ん?」
「星河匠さんが静香ちゃんを好きって言うのはどこから来た話?」
「へ?」
「匠さんがそう言ったの?」
「ううん。静香。」
「・・・。」

「でも静香を尋ねに部屋にやって来るなんて間違いないっしょ。でもなんか複雑だなぁ~~あの二人が。」
う~~ん。と腕を組みながら、未茉は唸ると、

「いや、俺も複雑・・・色んな意味で。」
「は?」
「まぁ天変地異が起こってそこがそうくっついてくれれば俺的に感謝なんだけどね。」
にこっとしながら翔真は未茉の肩に手を回すと、

「なんで感謝?」
「さぁ」
「あっ!!またそうやって自分だけ知ったかぶりしてんなっ!!」
笑う翔真を走って追いかけ回してると、

「仲いーなぁ。朝からあの二人・・・」

王子部員達がそんな二人を見ながら呟くと、
「……」
複雑な表情で見つめる匠に、そしてユリ。

一心不乱にシュート練習に思いをぶつける早乙女。
そこには様々な思いが交差していた。