「つーか、なぜ三人は保健室なんかにいるんだよ。」
不思議なスリーショットを保健室で見て改めて尋ねると、
「ああ。ついさっきまで病人がいてね。」
「そう。引き取りにいらしたからちょうど帰るとこで白石が来たからびっくりよ。」
実はちょうどユリの親が迎えに来て一段落して、色々三人で話してて、さぁ出るかと言うときに未茉が来たのだが、三上のことを気遣い経緯は話さなかった。
「病人?」
三人が看取るような病人と言われると誰だと首をかしげるも、
「っーか、北だっけ?殴ってどこ行ったんだよ。」
健は話をすり替えるように言った。
「ああ、今職員室で事情を聞いてるって。あたしも後で行って謝りに一緒に着いてくよ。」
「じゃ、白石私達行くね。明日二人とも頑張ってね。」
後は健に任せようと鈴木とマイクの二人は保健室を出ていった。
「お前さっきからなんで左腕握ってんの?」
さっきからずっと未茉は、庇うように左手を握っていて気になってることを健は尋ねた。
「もしかしてそのストーカー男に引っ張られたとか?」
「すげーなぁ、健兄…」
隠し事できないやと未茉はお手上げだ。
「急に左腕強くひっぱるからよ、悪気ねぇんだろうけど、ちょっとびびっちまって…あー、なんかよえーこと言って情けな。」
ひきつった顔で妙な強がりを見せる未茉に健は驚くも、
「それだけじゃないんじゃね?なんかあったんだろ。」
それは全てを見透かしたその鋭い目だった。