「あっ!湊くーん!!ちゃんと白石さんに一票入れるから、後でストーリーに一緒に写ってね!!」
「あ、ずる!あたしもー!」

廊下ですれ違う女の子達が翔真に気付き笑顔でそう声をかけてきて、
「?」なんだろ。と目をぱちくりさせてると、

「おう、翔真ー!なんだやっぱりお前白石がいいのかよーったく!入れてやるから、次奢れよ!」
「キタロー使うとかマジ怖いから!だから入れとくわ!ははっ!」
次は三年のバスケの先輩達が翔真を見つけては声をかけてくる。


「はぁ....?」
ポケッとわけが分からず首を傾げてると、
「あ、翔真!」
車椅子の和希と莉穂がやってきて、
「仕方ねーからねぇちゃんと翔真で投票してやったぜ!」
「ああ…うん。ありがとう。」
少し元気のない返事に莉穂は冷たい視線で見上げた。

「未茉は?一緒じゃないの?」
「…うん」
「何暗い顔してるの?」
「え」
「あんないい女に、一度振られたくらいでそんな顔するんなら、早いとこ諦めた方がいいんじゃない?」

「…!」
何かの後押しだったのか、翔真は未茉を探しに教室を出ていった。

「莉穂さんかっけー!やっぱ二階堂さんと早くケリつけて俺と付き合いましょ!」
「そうしょっかなー。」
「えーっ!マジですか!?めっちゃ嬉しい!!」
「じゃ早く治してバスケ頑張って。」