TIPOFF!! #LOVE AUTUMN






「あのさ」
だが、ため息ひとつついて冷静に言い返した。

「変な噂とか誤解が広まってるけど、俺は未茉ちゃんが」
「好きなの分かってるよ。」
「…!?」
「でもユリはお前がいなきゃ生きていけねーって。だから側にいてやれよ。」

「は?」

「は?じゃねーよ。ま、そーいうことだよ!」
よっ!とスタスタと扉へと歩く未茉の手を引っぱった。


「ちょっと待って。」

あまりの態度と指示口調にさすがの翔真も表情を強張らせた。

「俺、今日一緒にどこ回るとか楽しみにしてたんだけど、未茉ちゃんもそうじゃなかったの?」

「おう!めっちゃ楽しみにしてたぜ。」
「意味わかんねー…」
珍しく翔真が言葉を荒らげ、苛立ちを押さえるように髪をぐちゃっとかいた。

「あたしも一緒に回ろうと印までつけてよー。パンフレットペンだらけだぜ。」
「…」
「どんな告白すっか考えてて、あんなバカ結城の意見なんか聞いて眠そうなハンドベルにすっかって思って、お前が喜ぶくらいのかっこいい告白しようと思ってたぜ。」

「…」

「お前とユリが今、どういう関係なのかわかんねーけど、」
「どういう関係でもない!!」

「そうか。じゃ付き合ってやれよ。ユリと」
「そんな言い方するな。」

「じゃどんな言い方すればいいんだよ!?」
涙を溢さないように睨む未茉に、翔真も睨み返した。