「あ!白石!!やっと戻ってきやがったな!!」
そんな凍りつくような一瞬の沈黙の間に、未茉がキタローの調理部の出店から戻ってくると、

「わりぃわりぃ!!あっちも相当繁盛しててよ!」
「そっか。俺も後で手伝う。」
「おお、頼むよ!ん?なんで泣いてんのお前・・・」
隣で顔に手を当て静かにすすり泣くユリに気づくと、妙な空気感であることに気づいた。


「おーいっ!!翔真ーっ!!結城ー!ゆりーぃ!!」
背後から他校の制服軍団がやってきた。
「あ…わぁー!!みんな元気!?」
「おお、久しぶりじゃねーか!!」
懐かしい顔ぶれにユリは嬉しそうに手を振り返すと結城も飛び付くように抱きつく。

「誰だ?」
未茉が尋ねると、
「中学ん時のダチ!」
世田中のバスケ部達での懐かしそうに声を弾ませていた。

「湊くーん!写真待ちしてるのちょっと中入ってー!!」
中から手伝いに追われてる女子から呼び戻される声がしたので、
「ああ…うん。」
後ろ髪引かれる思いだが、重い足取りでその場から離れた。


「なんだよー!お前らすっかりヨリ戻したんじゃねーかっ!!」
「さっき湊、告白して盛り上がってたって通りすぎる生徒達が騒いでたぜ!」
彼らが肩を叩きながら冷やかすようにユリ達に言った。

「昔から仲良かったもんな!!むしろ別れたのが信じられなかったもんな当時は。」
「こんな風に彼氏の文化祭手伝う辺りがユリちゃんらしいなっ!」
俺ら中学の誇りだぜっと嬉しそうに盛り上がる彼らの笑顔に、

「ちょっと待て…!!お前らそれはちょっと違くて」
そんな変な流れを止めようとした結城に、


「ヨリ戻したって?お前らが?」


うっすらとあった不安とここ数日の周りの言葉を未茉は口にした。