「やっばーい!!てことは、湊君は変わらずずっと白石さんのこと好きってこと!?」
体育館での演説を聞き、吉沢達バスケ部女子一年はパニックを起こした。
「どうしょう~~~私白石さんに弄ばれてるとか乗り換えたとか言っちゃって傷つけたよね…」
「私だって健さんに一票入れちゃったし!!」
勝手な早とちりで自己嫌悪に陥ってしまった。
「なんとか票を入れ直せないか集計所に掛け合ってみる!!!」
「あっあたしも!!」
一致団結してバタバタと向かった。
「翔真ぁああ!!!」
そしてブルッ…とした悪寒を背後から感じて翔真は振り向くと、
「マ…マイクさん!!?」
まだいたのかっと顔面麻痺を起こすも、
「明日は国体だっていうのに、ろくに練習もしないで全校生徒の前で告白なんていい度胸してんじゃねぇか…」
パキパキ…と指の骨を鳴らし、青い目を光らせて2mの巨人が怒りの炎に包まれて立ちはだかる。
「ヤバい....」
翔真の額には、冷や汗が伝った・・・
「なぁーに翔真。お前は白石のために強い男になるんじゃないのかぁ?」
ずいぶんカッコいいこと言ってたじゃねーかとニヤニヤっと試すように言い投げる。
「「わぁぁあっ!!また翔真とマイクの勝負が見られるぞぉぉ!!!」」
願ってもみない再戦に場内の観客達は拍手と歓声で湧く。
『はーいっ!!それでは皆様お待たせいたしましたぁぁ!!湊翔真とマイクジョーンズの東京頂上決戦始まりまぁーす!』
そんな盛り上がりに答えるように男バスの橘はアナウンスで調子よく会場に呼び掛けた。
「なっ・・橘さっ」
『じゃー皆々様♪明日の国体に向けて軽い骨鳴らしですが楽しんで下さいねー!』
「何が軽い骨鳴らしですかめちゃくちゃ本気…ふがっ!!」
抵抗し言いかける翔真の口を塞ぎ、
『もし、こいつが負けたら弱い男ってことで投票は入れないでくださいねー!!』
「なんか男バスの催しはこれが一番盛り上がりそうね」
文化祭の特別賞でも狙えるんじゃないかしら?と鈴木とふふっと頷いた。