『俺にだって自信があります。俺だけを選んでくれる日がくること。しつこいって言われ気味だけど・・・』
会場中の爆笑を誘いながら、“頑張れー”の声が響くと、翔真もふっと微笑み、


『いつになるか分からないけど、本当にベストカップルになれるように頑張るので、応援してください!!
俺は、未茉ちゃんのことがずっとずっと何があっても大好きだ!!』


最後に出した未茉の名前に会場中が、
「「わぁあぁあ…!!!」」
「最高ー!!頑張れー湊ー!!」
待ってました!と興奮の渦に包まれ一気に湧いた。
「断言か・・・」
マイクも呆れながらも鈴木と顔を見合せ嬉しそうだ。

「なんだやっぱり湊、白石にベタ惚れじゃん!!」
「誰だよ元カノとか言ったの」
噂ではなくて本人の真剣な思いに胸打たれたのか、しっくり来たのかあちらこちらから思い思いの言葉が飛び交う。
「こんなに言って貰えるなんて羨ましすぎる~~~」
「ほんとぉぉおー」

女の子達が羨ましそうにきゃあきゃあと声をあげる中…莉穂は、少し視線を落としていた。

「かっけぇーけど、弟の俺は複雑だぜ!!」
隣にいる和希は苦笑いをしていると、少し暗い莉穂の様子に気づく。



「あそこまで可愛い後輩にお願いされたらあれだな。白石達に一票いれとくか。」
やれやれと男バスキャプテンの橘が笑顔で呟くと、

「私はもう入れたし、あの二人にはいれないわよ!」
矢野はふんっと鼻息を荒くしてそっぽを向いた。
「え、そうなのか..お前は?」
少しがっかりするも前原の方を見て聞くと、

「忘れた。」

プイッとこちらにもそっぽ向かれるが、
「...」その素直じゃない後ろ姿で伝わった。
もうとっくにあの二人に票いれてるってことが。

「なによニヤニヤして。」
「いや別に。」
そんな二人のやりとりを見て矢野は、

(私にとってのベストカップルはこの二人だけど、票は湊達に負けるか。)
密かにとっくに橘と前原にいれていた矢野であった。