『だから俺がちゃんと練習しないと怒るし、バスケでシュート外すと大きな声でヤジを飛ばされるし、大会では会場中に響き渡るくらいめちゃくちゃ大きな声で応援してくれます。』
あははっと聞いてるみんなが笑うのは、もう名前を出さなくても誰のことを言っているのかが分かるからだ。
『そんな彼女の笑顔が見たくて、すげー辛い練習も、俺よりバスケすげーうまい人達に彼女の気持ち持ってかれないように負けないように、もがくように頑張ってるのは…俺だけじゃなくて。』
翔真の脳裏には、大成の早乙女や、匠、そして日本一と呼ばれる桐生嵐らが浮かんでいた。
『どんなに背伸びしたって敵わないライバルもいて、その人達もまた同じであって。だから彼女に相応しいくらい強くなりたいって思ってました。』
そして同じステージの上にいる健を、少し声のトーンを落とすも、まっすぐに見上げた。
『健さん、俺もこの気持ちは負けません。』
「…」
真剣な告白に会場中が言葉を失い、一瞬にして静まり返り沈黙に包まれ…健もその宣戦布告に黙ったまま軽い笑みを浮かべた。
『ずっと、ずっと好きだったんです。振り向いて貰えなくても、あんないい女を諦めるなんて、俺にはできない。』
まっすぐで堂々とした澄んだ瞳で告白する翔真の真剣さに会場のすみにいた莉穂は驚いた。



