『おっーとっ!!湊翔真君!?これはまさか三角関係かっ!?』
『んんっ!?情報によると、白石さんと湊君はとっくに破局を迎え、ノミネートされてるバスケ界きっての絶世美女の前園ユリさんとのお付き合いされてるとか。』

少し怒った表情で翔真は、司会者のマイクを取り上げ、口を開いた。


『色んなことが噂になって誤解を与えていますが、前園さんとは、今は友人です。俺にはずっと好きな人がいます。』


『おおっ…!!なんと…!!』
きっぱりと自分の口で否定する翔真に司会者も驚き、
「え…どういうこと!?」
「湊と前園さん付き合ってないの!?」
会場中は驚きの声が広がっている。


『だからノミネートは消してください。投票してくれてる人にも悪いので。』
『え…それは前園さんとのペアはないということですね?』

『はい。俺の好きな人は…、凄く可愛くて、凄く優しくて、凄く明るくて、凄く元気で、凄くバスケが上手い同じ部活の子です。』


体育館にいたバスケ部の前原、矢野も翔真の声に耳を傾けては頷いた。

近くにいた橘も“やるな”と微笑んだ。


『毎日バスケのことばかり考えていて、勝ち負けも大事だけれど、チームみんなで一丸となって明徳みんなで頑張るんだっていう気持ちを大事にしてる人で、俺は彼女のそういう所を本気で尊敬しています。』


固唾を飲んで見守る中、和希を車椅子で引きながら体育館に莉穂がやってきて、その告白に足を止めた。