暗闇に包まれた体育館の中、演劇部の照明に協力してもらい、七色のライトが照らされ爆音の音楽が流れると、コート一面に明徳女子カラーの紫色のチアガールに扮装した女子バス達がポンポンを持って登場した。

「「明徳go!go!」」
キャプテンの前原を合図に声を揃えて踊り出すと、
「「うわぁぁぁあっ!!」」
パチパチ…!!!
詰めかけたファン達と一般客達の盛大な拍手と歓声に包まれた。

目当てできた人達も通りすがりの人達も足を止めてしまうほどの高パフォーマンスに、
「「かわいいー!!!」」
「「白石さぁーん!!」」
短い一曲分だったが音楽が止まると同時にポーズをつけて決めると体育館は一気に湧く。

「うぉぉぉっ!いいねっ!とフォロワーが増えてくぅー!!」
影では新米斎藤もスマホを観ながら湧きだす・・・

「未茉ーかわいいー!!」
莉穂がそう叫びながらは拍手を送った。
「あっ!!莉穂!!」
お客達に囲まれながら写メやら拍手やらを求められる中、莉穂に気付き未茉は抜け出して向かう。

「莉穂来てくれたのかよ!?」
「うん。チケットありがとう。」
「駿は?」
「さぁ。」
「なんだよ。まだ元サヤになれねぇのかよ。」

「それより大人気ね未茉。明徳の文化祭SNSでも未茉のルリちゃん姿が可愛くて話題になってるよ!」

「マジか!あはは」
「あ、そうそう私、ちゃんとベストカップル賞には健さんと未茉カップルに入れてきたらね。」

「あ・・・?なんだよ。莉穂まであたしと翔真は誰も応援してねぇのかよ・・。」
「あ、もしかしてオギタクに乗り換えたの?ものすごい勢いで集計表ランクアップしてたよ!」

「ちげぇよ!今日な、あたし翔真に告白して付き合おうかと思ってよっ!」

「えー…。不幸になりそう。」
相変わらずの顔に似合わない毒舌ぷりに未茉は、ずべっとスッ転ぶ。

「大丈夫だよ!!あたしが翔真を幸せにするし!!」
「あー…確かに、湊君じゃ未茉を幸せにできなそうだもんね。」
再びずべっとスッ転び、
「おいそれどういう意味だよ。あたし健兄にもちゃんと言ったんだぜ。翔真と付き合うってよ。」

「考え直した方がいいんじゃない?」

「あ?」

鋭い目で男バスの模擬店の方で翔真の姿を探す前園ユリを顎でさした。