「うわっすげー!!!ハンターの衣装よく縫えてんじゃん!!!さすがあたし♪」

更衣室で女の子用のハンターの衣装に身を包み、鏡を見て一回転しながらその縫製と出来映えのよさに未茉は感動してると、

「違うわよ!!白石さんが縫ったの全部縫い直したんだからね!!」

睨みながら鋭い突っ込みを飛ばすのはクラスメイトの椎名だ。

「え・・そうなの!?」
「そうに決まってんでしょ!?あんなジグザグの衣装途中で破れるに決まってるんだから!!」
「なんだよー!!せっかく忙しい中縫ったのによぉー!!!」
うぁーんっと無駄な苦労を泣き叫ぶ未茉に

「湊君の彼女はさすがよねぇ~~。誰かさんと違ってとっても器用だし♡」
あえて心にもない意地悪を言う素直になれない椎名

「なぬ!!?」
驚く未茉に、更に女子達は
「そうそう、誰かさんがいない間みんなの分までさっさと縫ってくれてさー」
「分かるなぁー湊君が彼女を選んだ理由ーねーっ。」

「なんだよっ!!みんなしてぇ!!!いい加減にしろよな翔真はあたしと付き…」

言いかけた時、ふと思考が止まった。
「翔真ってやっぱユリと付き合ってんのかな。だから昨日も一緒に帰ってたのかな。」

「…」
珍しく少し塞ぎこむ未茉に椎名はふと目をやった。

「付き合ってなきゃ他校の教室まで来るわけないじゃん・・・」
「湊君は優しいし白石さんの気持ち知ってるから言えないだけだって。」

「…言えねーのかなぁ?」
ポツリと呟くと、未茉は少しだけ肩を落としてしょんぼりと更衣室を出ていった。

「ちょっと!言い過ぎたんじゃないの?」
思わず椎名は彼女達に言うと、
「な…何よ椎名だって」
みんなはちょっとマズかったかなと顔を見合せた。