「・・お前らのためかよ・・」

チッと舌打ちする結城だが、昨日の告白がおじゃんになって若干の心配はあったが体をくっつけて喜ぶいつもの二人に、

今日は文化祭だしうまくいってほしいという願いを込め、ため息をつきながら了解したが、

「おいっ!白石!」
結城は打ち合わせ中の翔真には見えないようにこっそりと未茉を呼び、コソッと小声で念押しするように確認する。

「お前、今日ちゃんと翔真に告白するんだろうなっ!!?」

「おう!ったりめぇーだろ!?」
「よし!じゃせっかく俺が当番代わってやったんだ!そん時に言えよ!!」
「おうっ!任せとけよ!!」

「・・・・。」
ガッツポーズで答える軽すぎるノリにとても告白に挑むには、程遠く思えた。


「翔真とどこ回ろっかなぁー!!ウォーリーを探せも面白そーだしなっ!あっ、お化け屋敷に脱出ゲームもしてぇーなぁっ!!!」
ウキウキしながらチェックする未茉からプログラム表を取り上げ、
「あっ!何すんだよ!!結城!!」
「アホかっお前はっ!!告白するならもっとこう盛り上がるとこに行けよな!!!」
「あぁ!?」

「そうだなぁ~このプラネタリウムとかハンドベル演奏会とかで静かに二人きりになれるとこでムードを高めあってだなぁ、」
「あ?寝ちまうだろんなとこ!」
「・・・お前だろそれは!!とにかく二人きりになれて落ち着いて話せるとこじゃねーとダメだからな!?後々、記念になるような一日なんだからよっ!!」

「お前・・女みてぇな気持ちわりぃこと言うんだな。だから変な女としか付き合えねーんだよ。」
「・・・人が心配してやってりゃぁ・・・」
ムカッとする言い方に口元を震わす・・・


「めんどくせぇーなぁ。好きだ!付き合え!って言ってキスできりゃ場所なんかどこでもいーんだよ。」

「・・・・なんっー野性児・・。」
もうこいつになに言っても無駄だと呆れたのであった。