「湊君にはあのユリって女がいるでしょ?!きっと湊君も明日ユリを呼んでるだろうし、ベストカップル狙ってるんだから!」
「目を覚まして!!もう白石さんをめちゃくちゃ好きだった湊君はどこにもいないのよ!!」
「そうそう!傷つきたくないのも分かるけど現実見て!」

「なんなんだよもうー!!みんなして同じようなこと言いやがっ…」

♪♪
へそを曲げながら怒っている未茉のスマホにはオギタクからの着信が鳴っていた。
「うげぇっ!!オギタクだ・・・!!」

マズイ・・・と冷や汗を流しながら外に出て電話に出ると、

『わわわわっ!!!みみみっ未茉様ですかぁ!?』
緊張と震えでうわずった声のオギタクが電話にでる。
「お・・・おう。未茉様だ。」

『お声まで美しくルリちゃんの様です!!』

「ルッ・・・ルリちゃん!!?」
ギックギクとそのお名前に声が裏返る程の動揺を隠せずにいると、
『はい!!!僕の命と同じくらい大切なルリちゃんです!!!』
「いっ・・命ぃ!?」

『はい!!やはりルリちゃんと離れている間、調子でなくて足の調子も悪くて、でも未茉様が預かってくれてるせいか昨日から凄い調子が戻ってきて絶好調でっ!!』

「マジか!?それは焚きあげたからだよ!!」
『えっ!?焚き・・・!?』
「ああ、よく聞け、お前にはつれぇ報告になるけどよ、あのぬいぐるみは生き霊に取りつかれていて、こっちで成仏させたんだ!」

『じょっ・・・・!!?』

「うちのマネージャーは神主の息子でよ、」
説明してる時、ふと視界には校門へと走る頭一個出てる翔真の大きな姿を発見し、声をだし手を振ろうとすると、隣には他校の制服の女子がいた。

ユリだった。

「しっ…」

呼ぼうとした声を詰まらせてしまった。


『もしもし未茉様!?もしも…』

「ああ、わりい、なぁ…、みんな同じこと言うんだよ。」

『え』
「翔真はもうあたしを好きじゃないって。ユリに乗り換えたって。」

『…』

「言われてみりゃ、最近あんま翔真近寄ってこねーし、触れても来なくなったし。キスしようとしたら拒まれたしよー。」

『…』



「ちょっと待たせ過ぎたか。」