文化祭前日の為、女バス全員で体育館の装飾を完成させながら、

「白石さん白石さんっ!!」
一年の女子の相沢さん達が何かを聞きたげに嬉しそうにこそこそと未茉の隣にやってくる

「明日って健さん来るの??」
「へっ?健兄?!」
「うんうんうんうんっ♡♡♡」
女子達はなぜだか期待満々の笑みで前のめりになりながら頷く。

「あ、チケット渡したから来るかも。」
「来るかも、じゃなくて絶対連れてきて!!」
「なんで?」

「言ったでしょ!?我が明徳高校に代々伝わるベストカップル賞の伝説を!!」
興味なさそうに手を動かす未茉にグイグイと彼女達は押し寄せてくる。

「ベストカップル賞に選ばれた二人は驚異の確率で永遠に幸せになるって話!!」

「へぇー!!すげー!!そうなの!?数ヶ月じゃ終わんないんだな!?」
初耳かのように驚く未茉。
「もー!!前にも言ったじゃなぁいっ!!」

「じゃあたしそれに翔真と選ばれたいっ!!!」

「「・・・・・。」」
鳩が豆鉄砲くらったかのように彼女達は口を半開きにして固まった。

「ちょうど告白しようと思ってたからよ!!それに選ばれれば…」
「ノンノン・・。」
相沢さん達は眉をひそめながら首を横に振った。