「健さんずっと未茉とバスケしか見てへんくらい一途やし、あんくらい視野と心が広い男の方があんたには向いとる。まぁ、逆を言えばあんたにはもったいないけどな。」

「翔真も結構一途だし、だいぶ心広くね?」
「健さんじゃダメなん?」

「あたしは翔真が大好きなんだ!だから翔真と付き合うよ!」

迷いもなくもう強く決めたように、力強く微笑む姿は、少し前の合宿ではあんなに迷いがあったのが嘘のようで驚いた。

「昨日建兄にもちゃんと言ったんだ。気持ちには答えられないってよ。」

「なんてもったいないことをしたんや…うちなら絶対健さんと付き合」
「似合うとか似合わねーとかじゃなくてあたし翔真がすげー好きだもん!」

話を被せてくるくらいの強い気持ちで言いきる彼女にもう何を言っても無駄かと静香はため息つき、
「そりゃ御愁傷様やな」
「なんでだよ!」

「なんやうち湊に悪いこと言ってしもうたかもしれへんな。うちはてっきり…」
今頃になってそんなことに気づくと、

「あっ!!禅だ!!!」

この辺では有名な高級外車のハイヤーが通りかかると、手を振り大声で呼び止める。

「先輩!」
急停止し、公園に入ってくると、なんだ静香もいるのかという目でやって来た禅にすかさず、
「なんや禅!!その目は!!」
「・・いえ」
「残念なお知らせやで、未茉は翔真と付き合うんやで!」

ガーーンッ!!!
落雷が落ちたかのように禅は衝撃とショックを受けている。
「そんな……先輩の発育不足の小胸をむしゃぶりつくして、△◆を荒々しく突き破り成熟した女に変えていくのは、この俺しかいないと思ってたのに…」
ガクッ・・と地面に膝まづく禅に、未茉は後ろからけりを入れる・・・


♪♪♪……

【着信中 翔真】
ベンチに放り投げられたスマホに翔真からの着信があったことも気づかないまま、その後三人で夜更けまでバスケをしてるのであった。