「ちょっと待てよ静香!!」

いつもなら追い払えるくらいの力だったが、怒りが増しているからか静香の力は異常に強かったし、

「つーか、いてぇ!!マジいてぇ!!力弱めろ!!」
「あ!せや左か…」
「そーだよ!マジいてえ!!なんなんだよもー!!」
打撲していることを思い出し、静香はその手を離した。気づくと手跡が赤く残るくらいの握力だった。

静香と二人で地元の公園に着くとベンチにあぐらをかいて座り、

「なんだよー静香急に…」
「うちはな、あんたのことなんだかんだで大好きやねん。」

「はぁっ!?」
急に改まって告白する静香に思わず大声を上げて聞き返すと、
「だからあんたが傷つくのは嫌やねん!!」
「お・・おう・・・サンキューな・・でもなんか全然意味わかんねーけど。」

「なんでやねん!!!どこまで鈍いねん!!湊はあんたを大事にしてへんで!?」
「あ?」
「元カノを自分の周りに置いといていつでもあんたに飽きたら戻れるようにしとんのや!!」

「えっ!?そうなの?」
「そうやろ!!見てて分からへん!?」
「分かんなかった。むしろあたしの方が翔真を大事にしてあげられてない罪悪感の方がでかいなぁ。」

少し寂しそうな声のトーンで言う未茉に静香は驚いた。親友がそんな女の顔を覗かせたのは初めてだったからだ。

「建兄のことも好きだったし、怪我も治り悪くて付き合うの先伸ばしにしててよ、翔真には我慢させてたからよ。まぁ、この間わりぃーって謝ったけどよ。」

“翔真わりぃ”

「…でもうちは健さんの方が未茉にはお似合いだと思うで。」
「そうか?」
「そや。並ぶとルックス的には問題あって非難殺到やけどな。」
「あ・・・?」