「うわっー助かるー!!前園さんミシン上手!!」
「やったー!これで早く帰れるわー。」
家庭科室ではユリのおかげで衣装作りがすでに完成間近になった。

「なにふて腐れてんの。椎名さん。」
肘ついて前園の方に面白くない視線を送ってふて腐れてる椎名に女子は苦笑いで突っ込む。
「だって湊君の元カノ非の付け所がないじゃないー。白石さんとは大違い!」

「まあー。あれなら湊も確かに乗り換えちゃうよねルックス的にも内面的にもね!」
「お似合い過ぎるよねー。」
「っーか噂は本当だったんだねー。他校でも自分のクラスに入れちゃうくらい翔真の方がマジっーね!」
ますます疑惑がはっきりと女子の中でも濃厚になっていった。


「あ、教室にスマホ忘れてきちゃった。取ってくるね。」

翔真の様子も気になったユリが一度家庭科室から離れ教室に戻ると、

「あれ…?」

クラスには誰もいなかった。翔真達は大道具のペンキを乾かしに中庭に移動していたのだが知らないユリはため息つくと、

♪♪♪♪♪…

「…!」机に置きぱっななしになっていた翔真のスマホに気づいた。