明徳ではクラスの何ヵ所に分かれて文化祭の準備の追い上げをしていて、教室ではキタローとBIG3が疾走中の大道具を作り進めていた。


「っーか・・・翔真。お前は代表練習行けよな・・・。」
人のいい翔真に呆れる結城に、

「大丈夫大丈夫。むしろこの進み具合じゃ不安でしょうがないよ。」
練習に身が入んないと笑顔で答える翔真はどんどん作業を進めてく。

「でもよー・・」
東京代表という憧れの重みに少し嫉妬するように結城は話を割ろうとすると、


「白石とまたなんかあったの?」

昨日を白石を追いかけていってどうなったかを三上は気になっていた。
「いつもなら白石のいる方に行くじゃん?」
手伝ってくれるのも翔真らしいが、優先順位を考えてもここにいるべきじゃない。


「あははっ!あれ?俺そんな嫌な奴だったとは・・うん。なんか反省だな。」

だが翔真は失笑しながら本音をはぐらかした。
「いや、嫌な奴というか・・分かりやすい奴というか・・」
二人は苦笑いで返すも、

“この温度差…”

あの時、初めて愕然としたショックを見たことに二人は驚き、その後何があったのか聞けなかった。

問い詰めようとした時、ガラッ!と教室の扉は女の声と共に開かれた。

「やっぱり翔真ここにいたんだ!」


「!ユリ…」
私服姿のユリが覗きこむように教室へと入ってきたので一同は驚いた。