「あれ。そーいや、翔真は?」
お昼休憩になり、キタローが握ってくれた特大ファイトおにぎりを頬張る未茉は、男バスの東京代表を見渡し翔真がいないことに今気づくと
「文化祭の準備出てるから休ましてくれってマイクさんに言ったらめちゃめちゃ電話越しに怒られてたよ。」
石井がそう答えると、
「わかんないなぁ。バスケより文化祭を優先とか!」
「てか湊の思考回路全くわかんないー。神の子にはポディション取り焦りとかないんだろうな。」
言いたい放題な女子メンバーに
「アホちゃいますか。そんなん未茉のせいに決まっとるやないですか。」
「む?」
静香の言葉に未茉は食べる手が一瞬止まる。
「未茉、あんたは健さんと付き合うた方がええねん。自分でもよう分かっとるやろ?」
「んー。私も確かにそう思う時があるな。」
田島もなんとなく静香に同調した。
「まぁ、そうかもね。」
石井もなんとなくだが同調すると、
「まさか。嘘でしょ?」
隣にいた前原が思わず冷たく口を挟んだ。
「あんた本当に親友?」
「なんやてっ!!うちは未茉の大親友だからこそ未茉を思うて…」
「白石が湊以外の男と付き合えるわけないじゃない。」
「「!」」
それだけ未茉のことを考えてでた言葉かと思い、一同は驚いてると
「健さんが馬鹿白石なんかと本気で釣り合うと思ってんの?やめてよ。食事がまずくなるじゃない。」
「ほんとよ。健さんもかわいそうに近所に生まれたからって付き合う運命まで背負わされるなんて。」
ひそかに健ファンの前原と矢野が口を揃えて冷たく言い合うと、
「なんだ・・・そういうこと・・」
と田島は呆れてると、
「っーか当の本人の白石は?」
石井が辺りを見渡すと、
「あ!もっしもーし!翔真ぁ!?文化祭の準備順調かぁー?!」
「でっけー声・・・」
ちょっと離れた場所で電話してるのにも関わらず丸聞こえな声に一同はあきれてる。



