「健から聞いてるよ。打撲か…まぁ、無理のない程度に出て貰うしかないわね。」
東京女子代表の監督の神崎にも告げると何か作戦を練り直さなきゃいけないなと頭を抱えた様子だったが、
「大丈夫っすよ。左肩だし!あたし昔っから怪我なんて慣れっこだし、片手でもバスケできるようにプレーしてきたし!」
「バカやろ肩を甘くみるな。」
よりによって初戦が優勝候補だからますます気が重くなったようだが、
「あたしの腕なんかよりユリだよ!!ユリ連れてきてよ!!監督!!」
「…いや、やる気のない奴をコートに入れるわけにはいかない。」
厳しい目でその意見を突っぱねると、
「そやで。今のうちにライバルに砂糖を送りたい気持ちは分かるけどな、」
「ん?砂糖・・・?」
監督はなんかおかしくないかと首を傾げるも、全く気づいていない未茉と静香は、
「あんたが健さんとくっつきたいからいうて罪滅ぼしに湊にはユリとうまくいってほしいゆーあんたなりの悪魔的優しさかもしれんがな?それは残酷ちゅーもんやで。」
「はぁっ!?」
静香の言っている意味が全く分からない未茉は大声で聞き返すと、
「え、何々・・・また頭おかしいこと言ってんのあんたらは」
「ていうか私情をバスケに持ち込むな!!」
呆れる田島と石井に、
「っーか・・・静香のいう話が本当なら白石はとんでもない女だけど・・・」
思わず監督ながらも、最近の若者の恋愛事情に度肝を抜いてると、
「白石は天然を武器に平気で男を騙せますからね。」
さらっと毒を吐く矢野に、
「なるほど。ゴール下だとお前のフェイクにコロッとみんな騙されちゃうもんな。」
納得納得と頷く監督に、
「こういう馬鹿正直に見えて実は駆け引き上手っーお前バスケの素質半端ねーな。」
言いたい放題な周りだが、
「やだなぁ~~♡みんなして!誉めすぎっすよ!!」
てへっ♡といい気分の未茉が舌を出して体をくねらせて照れてると、
「「「・・・褒めてねーよ!!!」」」
みんなに一斉に睨まれるのであった・・・。