「・・・なんだってぇ?」


次の日(休日)は大成で東京女子代表メンバーは一日練習だった。
口元をヒクヒクさせて未茉を出迎えたのは、田島だ。

「だからそのぉ・・・左肩を打撲しちまって・・」

冷や汗を流しながらしどろもどろの未茉に、
「よしっ!私の出番!!♪」
「やったスタメン枠一席空いたわー」
ガッツポーズをして飛び上がり喜ぶ控えの大成メンツに
「じゃぁかしぃわっ!!こらっ!!誰が出ないっーた!!?あたしが打撲ぐれぇーで出ねぇーわけねーだろ!!!」

唾を飛ばしながら大きな声で中指たてながら叫ぶ未茉だが、
「誰に向かって口聞いて・・・」
三年のしかもキャプテンである田島への口の聞き方に我慢ならずにいると、
「早く練習しましょうよ。時間もったいないです。」
ドリブルをつきながら前原が口を挟んだ。

「白石が右しか使えなくとも、白石がいなきゃ愛知に太刀打ちできないのだから。」
さらりと庇ってくれた前原の言葉に、
「・・なんや・・あんなにバラついとったのにずいぶん理解あるチームになっとるや。」
驚いたように未茉の肩を組み静香は鼻息を荒げる。

「ふふん。まぁねん前原さん達も実はあたしのことが可愛くて仕方な…」と言いかけると、
「いたったたたた!!!」
後ろから前原に絞め技をくらわされ、
「誰があんたなんかを。さっさと練習だってんだろ。その減らず口どうにかしねーと二度と調子こけないようにしてやるよ?」
冷たい視線と罵声を耳元で浴び、

「うぁぁあああんっ!!!いたぁぁあいっ!!!」
大泣きする未茉を見て、

「なんやなんやっやっぱ明徳女子は恐ろしいチームやな!!」
くわばらくわばらと身震いする静香であった。