「ほら。」
片方の腕を引っ張りあげると、
「健兄ぃぃ~~~」
涙ながらに抱きつくと未茉はついいつもの癖で甘えてしまった自分に気づきハッとし離れるが、

「ほら湿布貼るぞ。」

そんな彼女に気づいていながらも新しい湿布を取りだし、胸元のシャツのボタンをはずしていく。

「ぬぁっ!?何してんだよ!!」

身を守るようにバッ!と健の手を胸元から振り払う。

「あー?何意識してるわけ?」
面白そうにニヤッとする健に、
「してねーよ!!貼るなら自分で貼るからいーよっ!」
「あ?お前が片手で器用に何かできんのはバスケだけだろーが。」
「う・・・はっ…貼るなら貼るって言えよな!!」
「いや言っただろ。」
なんだ湿布かよ、といらぬ心配をしたとブツブツ言いながら未茉はシャツのボタンを外して脱ぎキャミソール姿になった。

「っーか、俺が幼なじみだからって平気な顔して脱ぐのやめろよ。」

信用しきってるというより男女という意識がないのか平気な顔で恥じらいひとつなくシャツを脱ぎ捨てる未茉に呆れた顔を見せた。

「はっ!?今脱げって言ったろ!?」

「おう。これも脱げよ。片紐が邪魔だから。」
キャミソールの紐に健の細く長い指を引っ掻けるように入れて引っ張った。

「ん?キャミ脱いだら下着…」
「おう。脱げよ。」
「いーよ。さすがに。やっぱり後でママに」
そう言いながらシャツを羽織ろうとすると、

パシッ…その手を捕まれ未茉の身体に覆い被さり、
「なんだよ。たけ…」
「興奮させたんだろーが。お前が。」
シャツを払いのけ指に引っ掻けたキャミソールを、健は意地悪な視線と共に落としてく。