「いやぁ~未茉ちゃんはいつ見ても可愛いなぁー、いくつになったの?あ、ブラジャーのサイズじゃないよ?」

診察室に監禁されるように運ばれた数十分後、血は争えないエロ大好きの東条大病院の院長である莉穂と禅の父はにこにこと笑み、

「ぶ…っ!!!?」
未茉は思わず口をパクパクさせて驚いてると、

「もーやだぁあー禅君のお父様ったらぁ!!相変わらずのAカップよ!!」
娘へのそんなセクハラ発言にも関わらず、ママはのって爆笑してるのを見て、
「おい!ママざけんな!!ばらすなぁ!!」
「Aカップですか。それは発育異常も考えられますね。うちの禅も心配してましたよ。一度全身脱いで調べますか。」
「ぅおい!!!おめぇ親子揃ってなんちゅー会話してんだよ!!」

「ははっ!うちの禅が未茉ちゃんに夢中でしてねぇ、ぜひ将来はこの病院の院長婦人に」
「きゃぁあああっいやだあわぁ玉の輿ぃ!?ああんっもう!!イケメンのお婿さん候補がいすぎて困っちゃうわぁあ!!」


「うっせぇーんだよ!!てめぇら!!あたしの病状早く言えってんの!!!」


「打撲と骨が少し欠けてますね。」

レントゲンを見ながら禅の父はママにそう告げると、
「急に真面目か・・」
と、未茉は突っ込む・・

「打撲…」
健や和希に続いて未茉まで怪我なんて…と改めてママの表情は雲っていたが、
「最近強く肩を打ち付けたとかそんなことなかった?」

「バスケで怪我したのぉー?もぉーなんですぐに言わなかったのよぉっ未茉ちゃんってばっ!!」
あぐらかいて椅子に座って罰が悪そうにしている未茉に、

「喧嘩だろ。お前。」

診察室の隅で腕を組んで寄りかかる健の冷たい言葉が飛んでくる。

「喧嘩ぁ!?喧嘩って未茉ちゃぁんっ!!なんで!?」
「肩になんらかの衝撃があったのでは?またハードに動いてたんじゃないかな?未茉ちゃんのことだから。この欠けた骨もしばらく安静にしてればくっついていきますよ。」

「はぁっ!?しばらく安静!?」

冗談じゃないと声をあらげ、禅の父に詰め寄り、
「来週には国体だぜ?休んでる場合じゃねーんだよ!!」
「ここで無理したら余計に治りが遅く…」
「だめだっ!!金払ってるんだから今すぐ治せ!!医者だろ!?早く治せよ!!健兄も和希もみーーんな!!!治せぇぇぇ!!」
無茶苦茶を言う未茉は椅子に足を乗せたじろく禅の父に身を乗り出して喚くと

「自業自得だろーが!このバカ!!」

健にボコッと頭にげんこつを落とされた。