「あっれぇ~~~!!!???」
病室の和希がベット横の机の中身をひっくり返し出して何やら探してる様子のとこへ、リハビリから一休憩しにやってきた健がタオルで汗を拭いながら、顔を出しに病室へと入ってきた。
「どうした?和希」
「あ、健兄ちゃん。」
「あれ、未茉と雅代さんは?」
「母ちゃんは先生のとこで、姉ちゃんは今さっき帰ったよ。ルリちゃんがどうたらこうたら言いながら。」
「…ふーん。で、お前はどうした?何探してるんだよ」
「湿布!ここにあった湿布が箱ごと無くなっててさぁー!朝までここにあったのに。落としたかなー?」
「湿布?」
体を動かせない和希に代わって健が机の下やベットの下まで屈んで目をやりながら、ふと何かを思い出した。
“イってぇ!!”
“寝…寝違えたかなぁ~…”
「……」
未茉のあの不自然極まりない言い方を思い出し、
「よし、湿布は新しいの看護師さんに頼んどいてやるから。」
ポンッ!と健に肩を叩かれ「へっ??」意味が分からず首を傾げる和希だった。
病室を出てすぐに行き先を追うように病院入り口へと走って向かうと、すぐに健は目の前の急ぎ足の未茉の後ろ姿を見つけた。
「おいっ!そこのコソドロ!!」
背後からの健の声にビクッと肩を震わせ足止めをくらう未茉はゆっくりと振り返る。
「ぬぉ・・・健兄・・!!」
後ろめたさ全開で振り返る未茉の手を健は勢いよく引っ張り、
「ちょっと来い!!」
「ふぎゃああっ!!!」
引きずるように引っ張られる・・・・。



