「…湊、あんたにおうったらいうとこ思ってたけど、彼氏でもないあんたがわざわざ探しにくることないやろ。しかも喧嘩しとるゆー話やないか。」
珍しく突き止めるような静香の言い方に一緒にいたマイクも驚いていた。

「うち昔から見とったから分かるで。健さんには翔真は逆立ちしたってかなわへんよ。」
「……!おい静香…!」
「だから未茉は、なんやかんやであんたとは付き合わへんのや。だからこんなことすんのは止めとき!早乙女も翔真もバカらしいで!」

「…うん。ありがとうね。」

「頭おかしいんちゃう?お礼、言われるようなこと言ってへんで!?はよルリちゃん人形持ってくるんやで!?」
怒っているにも関わらず翔真は笑顔で軽く頭を下げて急ぎ足で大成を後にした。

「・・・静香。お前はなんであんな酷いことを・・」
目を細めてマイクは静香を睨みながら言うも、
「湊があかんやないかっ!!!」

「は・・??」
静香が自分にも食ってかかってくるので思わず目をぱちくりさせてると、
「翔真かてユリをきっぱり振らずにフラフラしとるから未茉も翔真を一番に信じないんやで!?うちには分かるんや!!!」

「……!」
「それに比べて健さんはちゃうねん!昔から未茉も未茉のバスケのことも一番に考えて来たんや!うちも莉穂も未茉に似合うんは健さんやないかと思うねん!!」

「は……ははっ!!」
「何がおかしいんですか!?」
「あはははっ!なんだ静香。そうかそうか。白石のことを思ってそう言ってたのか。」

「当たり前やないですか!!うちは未茉の親友や!!親友同士一緒に幸せになるんや!!」
「一緒に・・?本当は優しいな。静香は。」
多少ひっかかりはあるものの、ぽんっと頭を撫でながら微笑むと、
「マイクさん、うちに惚れても無駄やで?うちは外人は好きやあらへん。」

「No・・problem・・・。」
優しくしたのになぜだか振られたような気になって癪に障るマイクだった・・・