「何しに来たん!!?」

校内の誰にも見つからないように未茉を屋上に誘導して静香が大声をあげた。

「オギタクにルリちゃんを返そうと思ってよ!」
屋上の手すりに手をかけてサッカーグランドを見渡すと、
「あり、まだ部活やってないのか?」
「あほっ!!授業中や!!未茉、なんでオギタクと知り合いなん?!うちらかて同じ高校でも学科ちゃうと中々会わんのに」

「あーなんでだっけなぁ?」
「うちに紹介してくれへん?!」
「あーバスケしてーなぁー」
「聞こえてるんやろ!?うちに紹介しろゆうてるやろ!!!」

「練習に来いって田島さん言ってたから来たのによー」
「アホかっ!!!学校終わったら来い言う意味に決まってるやろ!!!誰が授業サボって来い言うたん!!?」

「そうだっけ?」
「そ・お・や・ろ!!!普通に考えりゃ分かることやろ!!!」
ボケッとする未茉の顔に近づけ唾を飛ばしながら勢いよく言う静香。

「あんだよ~~バスケやりてぇ気分だったのによーー!!」

チッ!と苛立って屋上で大の字に寝転がる未茉に、
「それやったら授業サボって湊とやったらええやないか。あの男はあんたの言うことなら何でも聞くやろ」

「あ・・翔真・・・?」

その名前にピクッ・・・と反応する未茉は空を見上げたまま一瞬動きが止まる。